Handmade Process現代キリム “ロゴバキリム” ができるまで

ROGOBA KILIM® が
できるまでの工程をご紹介します。

ROGOBA KILIM ができるまで】

01

ウールの刈り取り

山羊に餌を与えている男性の写真

キリムはウール(羊・山羊などの毛)を原料としています。羊は育つ環境によって毛質が異なります。中でも比較的高度が高く冬が寒い地域で暮らしている羊の毛は、丈夫で弾力があるため、良質なキリムを作るのに適しています。一般的に羊の毛は、春と秋に刈り取られますが、冬の間、ぬくぬくと過ごした後に刈られる春のものは、柔らかくより上質です。ROGOBAで扱うキリムは毛の繊維が長く、つやがあり、しなやかな品質の高いウールを使用しています。

山羊に餌を与えている男性の写真

02

紡ぎ

糸紡ぎ用のコマを使い手で糸を紡いでいる女性二人の写真

刈り取られた毛は洗浄された後、糸に紡ぎます。遊牧民が代々用いている非常に素朴な糸紡ぎ用のコマを使い、回転させながら糸を巻き取ります。回転スピードの微妙な違いで糸の太さが変わり、その自然なゆらぎがキリムに独特な風合いを生みます。現在では、ほとんどのキリムの糸が機械で紡がれています。手紡ぎと言える糸であっても糸車で紡がれたものもあり、これらの糸は均質で豊かさに欠けます。ROGOBA KILIM は、近年では珍しくなったコマによる素朴な手紡ぎの糸のみで織られた貴重なキリムです。

糸紡ぎ用のコマを使い手で糸を紡いでいる女性二人の写真

03

染め

糸を草木染めしている男性の写真

豊かな大地を思わせる赤、水や空を思わせる青、草原の緑や咲き誇る花々をイメージする黄色…、豊かで自然な色合いはキリムの魅力のひとつです。遊牧民はその昔から、生活の中で身近にあった植物や鉱物などを組み合わせて染料とし、糸を染め上げてきました。材料を採取する季節や時期、また染める際の気温、染める時間の長さによって、微妙な色の違いが生まれます。現在では温度管理された工場などで、化学染料を用い糸を染めることが普通になっていますが、ROGOBA KILIM と認定されるものはあくまでも草木染めされた糸を使用したものです。

糸を草木染めしている男性の写真

04

織り

縦糸を張った垂直機(ハタ)の前でキリムを織る女性の織り手の写真

遊牧民のキリムの技術は母から娘へと代々伝えられ、受け継がれてきました。縦糸を張った垂直機(ハタ)の前に座り、色とりどりの横糸を“手”で織り込む。大らかな感性で織り上げられるキリムは、まるで絵画のようです。ROGOBA KILIM は、遊牧民が生み出したキリムの伝統・文化を正しく継承した織り手、中でも優れたセンスを持つ織り手によってつくられます。
ROGOBA KILIM は、糸の太い細い、色の濃い薄いによって生まれる織りの表情“アブラッシュ”に特徴があり、それは伝統を継承するキリムとしての最大の魅力です。キリムに風合いを与える“アブラッシュ”の良し悪しは、織り手のセンスによって左右されます。現代キリムの中で、ROGOBA KILIM はもっとも“アブラッシュ”が豊かなキリムと言えます。

縦糸を張った垂直機(ハタ)の前でキリムを織る女性の織り手の写真

ここからは織り手の手を離れ、
専門の職人が仕上げの工程を行います

05

仕上げ ① 産毛の焼き加工

織り上がったばかりのキリムには、全面に細かな産毛が残っています。かつては産毛は気にせずそのまま使用され、生活の中で自然に擦り減ってなくなっていきました。今日では、製品としてより美しく仕上げるために、あらかじめ産毛をバーナーで焼き切って、処理しています。表面をバーナーで焼いても、ウールでできたキリムは燃えないため、色柄や品質に全く影響はありません。ROGOBA KILIM は、素足で生活する日本の生活様式を考慮して、より肌触りがよくなるよう、丁寧に処理をしています。

06

仕上げ ② 洗い、乾燥

キリムは織り上がった後に“洗い”が施されます。浅いプールのような大きな洗い場に広げられたキリムは、専用の洗剤を使用してブラシで洗っていきます。靴を脱いで暮らす日本のライフスタイルに合わせて ROGOBA KILIM の場合は、3度洗いを行い、清潔に使っていただけるよう仕上げます。現地の洗い屋の方には「ROGOBAのものはよく洗うこと」が定着しています。

07

仕上げ ③ 整形

ROGOBA KILIM は、撚りの強さの異なる様々な糸を織り込みアブラッシュを生み出すため、織りの表情が豊かになる反面、キリムの端をまっすぐに仕上げることは非常に難しいことです。それに対し、機械や糸車を使って紡がれた糸は、太さが均質であるため、織り手の技術に関わらず、端のラインは綺麗に揃います。ROGOBA KILIM の織り手は、熟練しているため、糸の撚りを考慮して端のラインを仕上げますが、日本のお客様により質の高いキリムをお届けするため、出来上がったキリムを釘で床に貼り、より美しくなるよう、ゆがみを微調整し仕上げています。タペストリーとして使用する場合は、この作業は特に念入りに行います。

ROGOBA KILIM のメンテナンス】

ロゴバの取り扱うキリムの中でも、“ROGOBA KILIM”は、製作工程をロゴバが十分把握し、品質が安定しています。また、キリムの素材は基本的にウールを使用しているため、洗濯が可能です。
キリムを洗う場合には必ず水で、ご家庭用のウール用洗剤をご使用ください。
汚れが気になる箇所は、ウール用洗剤を直接かけて、織目に沿って歯ブラシなどで軽くこすって落としてください。
ROGOBA KILIM は洗濯機の手洗いモードで洗う事ができ、脱水まで行えます。その場合は、必ずネットに入れて、手洗いモードで洗い、脱水まで行います。
※ 縮みの原因になりますので乾燥機は使用しないでください。
また長時間濡れたままにしておくと色が落ちる場合がありますので、洗濯後は形を整えてすぐに干してください。陰干し、日なた干しどちらでも構いませんが、一般的に陰干しが基本です。


※ クリーニング店へ出される場合は、ドライクリーニングではなく水洗いを指定してください。ドライクリーニングはオイル系の薬品で洗うため、キリムが変色する場合がございます。

キリムは毛足がないため、絨毯のように髪の毛や埃が毛足の中に入り込むことはありません。
日常のお手入れとしては、表面についたごみを市販の粘着クリーナー(通称コロコロ)などで取っていただくだけで大丈夫です。

Maintenance

Maintenance